甲虫時記

山形県を中心に東北の昆虫を調べています。

濃霧に包まれたブナ林

東北にもやっと春が訪れてきた。

近所の土場ではクリストフコトラカミキリがせわしなく走り回っているし、アオサギの死骸にはヘリトゲコブスジコガネが集まっている。こういう光景を見るとようやく春の訪れを感じることができる。

この日は、残雪が残るブナ林を歩きたくなり出かけた。

f:id:Afromorgus:20210427230434j:plain終始、濃霧に包まれ視界も悪く極寒だった。

おまけに雪も降りだす始末。

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ホンドニセハイイロハナカミキリ
Rhagium (Rhagium) femorale N.Ohbayashi, 1994

ブナ林の中に点在するオオシラビソの立ち枯れにて。

体表の毛並みが非常に美しい。

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雌の個体。

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ホンドニセハイイイロハナカミキリの脱出孔。

脱出孔の大きさ的に小型の雄だろう。

 

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夕刻のブナ林は濃霧に包まれ幻想的で美しかった。

青いホソツヤルリクワガタ

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ホソツヤルリクワガタ Platycerus kawadai Fujita et Ichikawa, 1982 は、地域による色の変異が強く、集めると非常に面白い。

この日は、雄雌共に青味の強い山地に訪れた。

気温が高かったこともあり尾根沿いの材に入っていた個体は割り出すとすぐに動き始めた。春はもうそこに来ているようだ。